口唇口蓋裂の矯正治療

口唇口蓋裂に必要な治療とは

口唇口蓋裂に必要な治療とは

上唇や上顎が離れている先天性異常「口唇口蓋裂」の問題は、見た目だけではありません。症状には、上唇が二つ、または三つに分かれているケースや、鼻腔とつながっているケース、また歯ぐきが分かれているケースなど様々なものがあり、それによって、発音や顎の成長、歯並びなどに影響が及びます。そのため、生まれてすぐの赤ちゃんに対する哺乳の補助や時期を見ての形成手術、さらに矯正歯科治療などが必要です。

当院では口唇口蓋裂の診療を、生まれてすぐに開始します。テープやプレートを使った哺乳のサポートから形成手術の前に行う顎の矯正について、他の医院と連携をとって丁寧に治療を進めますのでご安心ください。

当院理事長は、形成手術の前に行う顎の矯正などの指導で関連施設に応援に行くなど、数多くの口唇口蓋裂の患者様をサポートしています。治療には保険が適用できますので、お気軽にご相談ください。

口唇口蓋裂の矯正治療の流れ

口唇口蓋裂の治療には、次のようなものがあります。治療は一人ひとりの症状に合わせ、必要に応じて時期を見計らって進めていきます。

  形成外科・口腔外科 口腔外科

小児歯科
矯正歯科
新生児・
乳児期
口唇(上唇)・口蓋(上顎)の手術 哺乳指導
離乳指導
食育指導
口腔衛生管理
虫歯治療
手術前の顎の治療
幼児期 口唇・鼻の修正~
(必要な場合)
咽頭弁形成 歯列・噛み合わせの管理/矯正治療
学童期 顎裂部の骨移植
青年期 顎矯正手術
(必要な場合)
 

当院の治療実績

当院の口唇口蓋裂症例実績は、現在治療中の患者様を含み、440症例。その内訳は次のとおりです。

2006年まで 408
2007年 16
2008年 20
2009年 14
2010年 20
2011年 14
合計 492

※当院に初診で来院された患者様の数です。

Dr.村松の想い ~口唇口蓋裂の治療について~

口唇口蓋裂治療とともに

当院は、開業当初より口唇口蓋裂治療に取り組んでまいりました。 口唇口蓋裂治療がまだ一般的ではなかった時代から現会長・市川和博はその意義について理解し、治療を手がけてきた歴史があります。 その後、東京都立八王子小児病院が設立され、東海大学医学部形成外科から長田光博先生が赴任し、協力して診療に当たるようになりました。

市川矯正歯科医院に就職していた頃

私が市川矯正歯科医院に就職した1988年でもすでに多くの患者様がいらっしゃり、矯正治療が当たり前のように行われていました。 医療はいつの時代も進歩し続けるものですが、振り返ってみると当時は緒に就いたばかりの印象が拭えません。「手術の跡がもっと目立たずにできただろうか?」と当時思い悩んでいたことが忘れられません。 長田先生からも、われわれ矯正家に対しいろいろと要望がなされ、改善を模索されていました。そんな中で出会ったのがカナダのLatham先生でした。 この先生の方法で生まれたばかりの赤ちゃんを治療すればもっと成績が上がるだろうと、飛びついてLatham先生の元へ教えを請いに参りました。

口唇口蓋裂のお子さん

口唇口蓋裂のお子さんは、生まれた直後は鼻や顎がかなり変形しています。これは唇・顎・口蓋につながりのない部分があるからです。 手術によってこれを縫い合わせるのですが、変形が強いもの同士を縫い合わせるのは難しく、お子さんにも負担がかかります。 結果的に変形の改善が進まなかったり、傷が目立ったりしやすいことに心を痛めておりました。

広まった術前顎矯正治療

2000年頃はLatham先生の方法はほとんど知られておらず、何とかそれを知っていただこうと学会発表や論文投稿をしました。 それから十数年が経ち、いまではLatham先生の方法を含む術前顎矯正治療という分野が一般的になりました。 術前顎矯正治療の成績が明らかになり、さらに改良を加えながら今日を迎えておりますが、私の就職当初に診た患者様が成人し、ご自身が手術を受けられた病院に看護師として務め、 小児科病棟に配属された方がいらっしゃいます。当時はご両親も大変心配され、私たちも懸命に治療に取り組みましたが、それでも何度も手術を受け、辛かったに違いありません。 それを乗り越え見事に成人されたことは本当に喜ばしく、もしかしたら私たちと一緒に治療に取り組めるかもしれないとはかない期待も抱くことができる今日です。

当院のチーム医療体制

私たちは東海大学医学部形成外科、口腔外科、耳鼻咽喉科、言語治療士を中心に関連各科、近隣の産婦人科、小児科などと連携し、歯科医院とチーム医療体制をとっています。 ほぼ毎月のカンファレンスや一緒に診療に当たることによって、患者様が安心して治療が受けられるような配慮を重ねています。

このような中から生まれてきたのが別項に掲載している、食育や筋機能訓練です。 食育、筋機能訓練自体は決して新しいものではありませんが、口唇口蓋裂手術の直後からそれらを導入している事例は極めて少数で、矯正開業医としてはパイオニアであると思っています。 これらは歯科衛生士の気づきと情熱から生まれてきた事柄です。スタッフには本当に感謝の日々です。

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